アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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カルロ・ヤンカ復活 W-CUPクラニスカゴラGS

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10日前に不整脈の手術をし、火曜にスキートレーニングを開始したカルロ・ヤンカが鮮烈な復活を果たしました。

ワールドカップ通算9勝目。24歳の若者は今回の優勝もさしてたいしたことでもないように成し遂げてしまいました。

インタビューでも終始、クール。「Iceman」も復活したようです。

2位には34番ビブからアレクシ・パンチュロット。(彼の名前は非常に読みが難しく、記者会見を仕切るベテランのワールドカップ記者に確認しました、それでも自信ないですが笑)

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もちろん初めての表彰台です。20歳目前の19歳。スペインとの国境に近いところの出身だそうです。

今季はヒンターストッダーの24位が唯一のGSでの成績でしたが、いきなりの2位に本人も信じられないようで、カルロ・ヤンカとテッド・リゲティというビックネームに挟まれて光栄だと語っていました。

ちなみに彼は今季のクランモンタナジュニア世界選手権のGSチャンピオンであり、ヨーロッパカップGSでも優勝しています。いつ上位にきてもおかしくない選手だったということです。おめでとうございました!

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写真は1本目のインスペクションにスタートにあがってきたアレクシ。しっかり撮ってましたよ!我ながらさすが!!(笑)

レース用のスキーを自ら持ってくるところはまだまだ若手の証拠かもしれませんね。

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そして惜しくも連勝を逃したフィリップ・シェーグホッファー。1本目にラップを奪った直後は、ヒンターストッダーの初優勝で自信をつけてそのまま連勝かと思われましたが、「好事魔多し」。2本目の前半でコースアウト、最終戦での巻き返しに期待しましょう。写真は2本目のインスペクション。

今日のレースでGSチャンピオンの行方は最終戦に持ち越されました。テッド、スビンダル、リシャールの三つ巴。

下の写真は今季好調のリシャール。1本目のインスペクションです。

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もちろん有利なのは今日も3位で好調を維持しているテッドですが、最終戦は何が起こるかわかりません。

数年前のボルミオ最終戦では、99点差つけられてほぼ絶望と思われていたハンネス・ライヘルトが、大逆転でキューシュからSGチャンピオンを奪った例があります。最終戦は15位までしかポイントがつかないため、テッドも決して油断できないでしょう。

一方、総合争いはイビッツァの独走状態ですが、現在2位キューシュとの差は582ポイント。

イビッツァは明日のSLで10位以内であれば、事実上、悲願の総合Vが決まります。

キューシュは残りDH3レース、SG2レース、GS1レースの全てを勝っても届きません。現在3位のスヴィンダルも同様です。

今日は18位で13ポイントでしたが、今朝のアップを見ていると、トップ選手のなかでは彼だけが「フルワンピ」でGSトレーニングをこなしていました。

それというのも、総合優勝の先輩、妹のヤニッツァが「お兄様」の脱いだウエアを抱えてイビッツァのあとを追いかけていくものですから、リフトで身体を冷やす心配がないのです。

もう万全のサポート態勢。ヤニッツァはお兄様のウエアに顔をうずめながら滑ってたりして。(いやいや、それはふざけ過ぎですね、すいません笑)

ふざけるのもこれくらいにして、明日は大事なSL.。

それは最終戦出場のかかった湯浅と、スタート順が落ちた明、2人にとって同じくらい重要なレースだと思います。

湯浅も明も、来季のスタート順を少しでも上げるには明日のレースでなんとしても成績を残さなければなりません。

特に明の明日のスタートは50番台、60番台のスタートを覚悟しなければなりません。バンスコはワールドカップスターティングリストで35位だったので50番スタートの権利があり、上位3人欠場で47番スタートでした。(こんなルール、初めて知りました。WCSLリストの31位から35位の選手は50番スタートの権利があるようです)

しかし、現状そのリストは41位。今度はFISポイントでのスタート順になり、仮にバンスコと出場選手がまったく同じだとすると、59番くらいのスタートになります。

右手に加え、腰も痛めた明。満身創痍の身体にむち打って、明日は鬼気迫る滑りを期待したいと思います。

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最後の写真は今朝のGSスタートハウス内。