アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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ワールドカップは北米から欧州へ

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昨日はビーバークリークからデンバーまで移動してきました。雲ひとつない快晴のおだやかな日でした。

ワールドカップ選手たちは、その日の便でヨーロッパへ。

14日からのイタリア・バルガルディナのトレーニングランや同日からの「ヨーロッパカップ・イタリアSL3連戦」に備えて今週末は休養&練習と思います。

 

ビーバークリークからデンバーに向かうお昼発のシャトルバスの道中は、イタリアウエアメーカーのコルマーの選手担当の人といっしょでした。

私がイタリアの写真配信会社のお手伝いをしている関係で顔見知りだったのですが、彼は開口一番、「今朝はイビッツァの練習を見てきたんだ」と話してくれました。

前日にSL勝利をあげたばかりの翌朝、太陽の上がってこない8時30分から10時まで、ワールドカップコースの女子SGスタートからの急斜面を使って50旗門のSLトレーニングだったそうです。

普通であれば、勝利の美酒に少し酔って遅めの朝食をとっている頃か、レースの日の夕方に車で2時間半のデンバーまで移動しそうなものですが、勝利に満足することなく、練習環境の整ったところでしっかりトレーニングをこなしていました。

潤沢に雪があるのは3000m級の氷河コースだけであるヨーロッパの今の練習環境を考えれば、懸命な選択だと言えるでしょう。

コルマーの担当者もレースの翌日朝の練習に関心して私に教えてくれたのでした。

イビッツァはトレーニングをしてからデンバーに移動、スヴィンダルのツイッターによると欧州への便はファーストクラスだったそうです。

イビッツァはおそらくバルガルディナのDHにもエントリーしてくると思います。昨年は48位でSGは18位でしたが、今年は高速系でどれだけ順位をあげてくるのかも注目です。

冒頭の写真はSL初戦、1本目のインスペクションでのイビッツァ・コステリッチ。

 

日本チームも無事インスブルックまで移動したようですが、今回は急遽の北米ワールドカップ開催で、無駄な移動を強いられてコンディション調整に苦労したと思います。

ヘッドコーチのクリスチャン・ライトナーによると、ヨーロッパに戻る前には6回もFISの現場の親玉であるギュンター・フィアラ氏に電話で確認し、「ビーバークリークでの代替開催はなく、ヨーロッパへ移動して大丈夫だから」と言われてヨーロッパへ移動。

しかし、インスブルックに着いた途端、今飛んで来た北米の空港へとんぼ帰りしなければならないという知らせに唖然としたそうです。

ライトナーは「彼のやることはすべて正しい」と急遽の変更を決断したギュンター氏を皮肉っていましたが、雪の豊富な北米に居残って練習する選択もあったと考えるのは今となっては結果論でしょうかね。

誰が悪いということではなく、明と湯浅には自己管理をしっかりやってもらって、次の14日からのヨーロッパカップに備えてほしいと思います。

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湯浅自身、「ひどい滑りだった」と力を出せなかったことを悔やんだレースでしたが、ヨーロッパカップ3戦で本来の滑りを取り戻し、19日のアルタバディアではいい滑りを期待しましょう!