アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

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ヒルシャー、アデルボーデンを制す W-CUP SL

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マルセル・ヒルシャーが年明けザグレブから3連勝。アデルボーデンのGS、SLともに制しました。(ちなみにアデルボーデンGS、SL連日制覇は、かのステンマルク以来だそうです)

昨晩止んだ雪も今朝には再び降り出し、レースの最中も降り続けました。水分を多く含んだ湿った雪は硬い雪面にかぶさり、気温の高さも手伝って掘れを誘発してしまいました。

おまけに強風。下からの吹き上げではなく、上からの吹き下ろしだったので選手には追い風になりましたが、大きいレンズを持って上を見上げている体勢の私たちカメラマンは時々、レンズが風にあおられるくらいでした。

2本目の後半には霧が下からはいあがってきて視界をさえぎりましたが、なんとかレースは成立。冒頭の写真のように、「霧中の決戦」はまたしても「22歳のエース」が勝利をものにしました。

2位にはイビッツァ。ここまでSL5戦で2勝で、3勝のヒルシャーを上回ってレッドビブをキープしています。

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3位には今季好調のステファノ・グロス。シーズン初めのビーバークリークは40番スタートでしたが、ここまでの5レース全てで成績を残す安定感で,瞬く間に第一シード間近まで上がってきました。次戦ウェンゲンも注目です。

1本目で71人中、25人がコースアウトする荒れたレースでしたが、湯浅と明にとってはチャンスでもあるレースでした。

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湯浅は1本目の前半でコースアウト。W-CUPスターティングは28位となりました。来週ウェンゲンのSLは26番スタートになりそうですが、後ろとのポイント差も詰まってきているので、うかうかしていられません。

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明は1本目30位までに0.24秒及びませんでした。来週も再来週も、粘り強く滑って2本目進出を果たしてほしいものです。(写真はゴール前の超急斜面をインスペクションする明)

ザグレブのときにブログに書いたブランデンブルグはようやくW-CUPの今季初ポイントを獲得しましたが、完走中、最下位で本人の気持ちが吹っ切れたかどうかは定かではありません。

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総合争いは、ヒルシャーが今日の勝利で2位のイビッツァに230点差をつけてしまいました。まだまだ高速系のレースがありますが、(12月バルガルディナのキャンセル分は2月のシャモ二ーで行われます)優勝を複数の選手で分け合ったりすると、このままヒルシャーが独走するかもしれません。

先輩ライヒ以来、アルペン王国オーストリアに総合優勝をもたらすか? 技術系種目だけの出場で総合Vなるかも含めて今シーズンの一番の焦点となりそうです。

いま、夕方のアデルボーデンは霧で「真っ白」ですが、私はこれから「おとなりのワールドカップ会場」ウェンゲンに、いや、正確にはウェンゲンの一駅下のラウターブルネンの定宿まで移動します。

ウェンゲンのDHトレーニングランは11日水曜日開始予定です。

 下の写真は表彰式で特大カウベルを打ち鳴らすイビッツァとヒルシャー。アレッサンドロ・トラバッティさん撮影です。

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