アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

ケティル・ヤンスル自身初の種目別タイトル獲得

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ケティル・ヤンスルが自身初の種目別優勝を今日のクビットフィエールで成し遂げました。(撮影はアレッサンドロ・トラパッティさんです)

昨日のダウンヒルはハンネス・ライヘルトが勝利しましたが、今日のSGはヤンスルがW-CUP通算9勝目となる地元勝利で、種目別優勝決定に花をそえました。

昨季SG種目別2位だったヤンスル、僚友スビンダルがアキレス腱断裂で戦線離脱した今シーズン、その穴を見事に埋める活躍をみせ、最終戦メリベルを待たずにクリスタルトロフィーを手中にしました。

本当におめでとうございます。

僚友スビンダルの陰に隠れることの多かった彼ですが、来季はノルウェーの2人の「ガチンコ勝負」が見られそうで、それはまた今から楽しみです。

ダウンヒルでも種目別トップのヤンスルですが、2位のライヘルトとは20ポイント差。

終戦で勝ったほうがDH種目別王者となります。(ライヘルト優勝、ヤンスル2位の場合は同点ポイントとなりますが、勝利数でライヘルトが上回るため)

そして注目の総合争いは1位ヒルシャーとヤンスルは52ポイント差。これは残りのレース(GS、SL各2レース、DH、SG各1)を見てもヒルシャーに分がありそうです。

前人未踏の総合4連覇なるか、今週末のクラニスカ・ゴラでその行方は、はっきりとしそうです。

そのクビットフィエールのおとなり、ハーフィエルではジュニア世界選手権が行われています。

昨日は女子GSで、安藤麻は3.32秒差の27位、荒井美桜は8.89秒差の45位でした。優勝は安藤麻と同い年のニーナ・オルトリーブ(オーストリア)。

今日は男子GSが行われており、ヘンリック・クリストッファーセンが2位に0.96秒つけて優勝。

まだ2本目の途中で、小山陽平は76番ビブから1本目7.58秒遅れの63位、加藤聖五は109番から8.21秒遅れの67位につけています。

(結局、小山陽平は57位+13.50、加藤聖五は2本目コースアウト)

明日9日は男女SLが行われますので、若い4人には期待したいところです。

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写真はFEC白馬での小山陽平選手。

私は白馬から帰京後、東京で仕事があり、野沢温泉志賀高原へ撮影には伺っていませんが、FECはその後、GS2戦を野沢で消化。

今日志賀SLが行われ、マーク・ディグルバー(オーストリア)と長谷川絵美が優勝、湯浅直樹は3位でポイントも18.93に終わりました。

湯浅としては明日の「ジャパンシリーズ最終戦」SLで、6点のミニマムポイントを獲り、それを持って明後日、渡欧したいところです。

長谷川絵美は白馬に続き6点のポイントを獲得。これで来季ワールドカップSLで31,32番あたりでの出走を確保できそうです。

長谷川もこのあと渡欧し、オーレのワールドカップGS、SLに安藤麻と共に出場します。 

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写真はFEC白馬2戦目で2位を1.08秒はなして優勝の長谷川絵美選手。

今回のFECジャパンシリーズには前述のとおり、多くの外国人選手が参加したことにより、特に男子は彼らに表彰台を奪われる結果となっています。

自国開催の大会で自国選手が表彰の中心にいないというのは、ヨーロッパでは特に珍しいことではありませんが、ここ長らく日本人と韓国人だけで争ってきたFECに慣れてしまった身としては単純に悔しいものがあります。

今日のディグルバーのように自己ベスト8点だった選手が、ミニマム6点のポイントをとったとなれば、来季は今回よりもさらに多くの海外選手がFECに参戦するようになるのが自然の流れで、もう東洋人だけで争う「内輪」の大会には戻ることはないかもしれません。

私はこれは逆に喜ばしいことだと思います。

彼らが好ポイントを獲って、さらに日本観光を楽しんで帰るのを、日本の若い選手やそのコーチの方々も指をくわえて見ているだけのはずはないでしょうから。

逆に良いポイントを持ってFECに来てくれた海外選手を「鴨がねぎ背負ってきたよ!」と思うぐらいの気概が欲しいですね。

そのFECでは残念なニュースがあります。

現在、FEC総合とGS種目別でもトップを走る新井真季子選手が、野沢温泉GSで優勝し6点を獲った翌日のレースで負傷しました。

内足に乗り過ぎ、外足スキーがFL方向に流れ、それを戻そうと乗り直した外足一本で踏ん張った結果、身体が横回転してさらに転倒時にその足をひねったようになりました。(転倒時の映像を送ってくださった方がいらっしゃいました)

その時点で彼女自身はケガの程度を察知して大泣きしたそうです。MRI検査の結果、左膝前十字靭帯の断裂で明日9日に手術を行います。

手術後はリハビリを行い、雪上復帰は9月の予定。

不幸中の幸いは、転倒前日の優勝により、FECのGS種目別タイトル獲得を決めたこと。

FECの残りGSレースはサハリンスクで行われる1戦のみで、現状2位を117ポイント離しているため、来季ワールドカップ出場権はすでに彼女の手の中にあることです。

新井真季子選手は2012年のジュニア世界選手権で右膝前十字靭帯を断裂しており、「今度は左なの?これからというときにあなたばかりなんで?」と彼女同様、悔しい思いを感じていらっしゃる方々も多いことでしょう。

でも、彼女自身は「転んだ時にもう沢山泣いたので、前だけ向いてます」と気丈にコメントくれました。

アルペンスキーそのもの同様、後ろを振り返っていては前に進めません、滑れません。

前だけ向いてリハビリに励む彼女をこれからもさらに応援しましょう。

 

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写真は白馬での新井真季子選手。