アルペンスキー撮影記

毎冬、ヨーロッパアルプスを中心に行われるアルペンスキーワールドカップの魅力を紹介していきます

盛夏 男子ヘッドコーチ決定

かなりごぶさたいたしておりました。

知らないあいだにこのブログのデザインもかなり変わっておりました。(苦笑)

終戦メリベルから帰国後はすぐに春の選抜に甲子園へ、その後も大学野球高校野球プロ野球、そして陸上の撮影とゆっくりする暇もなくせっせと活動しております。

「出版不況」のおり、雑誌の仕事があるのは本当にありがたいことです。

「スポーツカメラマン業界」は2001年頃から本格的にフィルムからデジタルへの移行が始まりました。

その勢いは加速度的に進行し、プロ向けのラボ(現像所)は瞬く間に閉鎖に追い込まれ、日本のフィルムメーカーの筆頭、富士フィルムも今や民生商品で力を入れているのは化粧品です。

ここ15年の間に、プロ用デジタルカメラの使用率はスポーツの世界では100%と言いきっていいでしょう。もうフィルムカメラを現場で見ることはなくなりました。

インターネットの普及で新聞や雑誌の紙媒体も同じ憂き目にあうと以前から様々なところで言われてはいますが、その変化の速度はフィルムからデジタルほど急速ではないようで、逆に最近ではネットと紙媒体の「棲み分け」が構築されつつあるのではないかと私は感じています。

スポーツ写真のなかで細かく言えば、ネットや新聞で使われる写真と雑誌で使われる写真は異なる部分も大いにあり、「写真の違いがわかる」多くの読者に向け、「専門雑誌でしか表現できない写真」を目指して私も日々、撮影していきたいと思っています。

私事で恐縮ですが、今冬には自身2回目の写真展をキヤノンギャラリー銀座と札幌、名古屋でそれぞれ開催いたします。

もちろんアルペンスキーの写真のみで構成し、大きなパネルで迫力ある見せ方をしたいと考えており、微力ではありますが、来年2月13、14日の苗場ワールドカップ開催の盛り上げに一役買えればと思っております。

開催日程などはまたこのブログでお知らせいたしますので、お時間のある方はぜひ一度足をお運びいただき、ナマの写真プリントをご覧いただけたら幸いです。

 

さて、その2015-16シーズンのワールドカップ日程も先月に決まりました。

例年とおり、オーストリアのセルデンで10月24日に開幕し、11月はレビ、その後北米シリーズと定期の会場をまわりますが、12月22日には昨年に続きイタリアのマドンナ・ディ・カンピリオでのSLの開催が決まりました。

マドンナはその後も常設となる予定で、3年後の2018年まで、昨年から含めると5年連続での開催予定となっています。

湯浅直樹の初、そして現状唯一の「表彰台の地」であるので、「3位よりさらに上へ」の期待も毎年のように高まって楽しみですね。 

f:id:shinfotograf:20171126132844j:plain

写真は湯浅直樹、2012年12月18日、ワールドカップ3位、マドンナ・ディ・カンピリオ。

マドンナでの活躍もそうですが、来季はもちろん、苗場での勇姿にも期待したいところです。それも第一シード入りしての「凱旋レース」となるのが理想ですが、それにはシーズン初戦、レビから確実に二桁ポイントを獲っていく必要があるでしょう。

例年、「エンジンのかかりが遅い」湯浅なので、このオフシーズンのトレーニングがスタートダッシュできるかどうかの鍵を握り、秋の遠征でどれだけ滑り込めるかが大きなポイントとなりそうです。

幸い、一昨日から2日に渡って行われた国立スポーツ科学センターでの計測では本人も満足できる数値を出したようで、基本的な身体トレーニングは順調に行えているようです。

腰も今のところ痛みはないそうで、このまま順調にトレーニングをこなしていけることを祈るばかりです。

さて、その日本チーム、昨日のニュースで退任したヘッド・コーチのクリスチャン・ライトナー氏の後任が決まったことが報じられました。以下、産経スポーツHPに掲載された記事の転載で、共同通信伝です。

葛西、沙羅らが強化指定に!全日本スキー連盟が発表

2015.7.14 21:06

 全日本スキー連盟は14日、2015~16年シーズンの強化指定選手を発表し、14~15年ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子で自身の最年長優勝記録を更新した43歳の葛西紀明土屋ホーム)や、同女子でW杯個人総合2位の高梨沙羅クラレ)ら計182人が入った。

 ノルディック複合渡部暁斗北野建設)ら、フリースタイルはW杯女子ハーフパイプ(HP)で種目別優勝した小野塚彩那石打丸山ク)やモーグル男子の遠藤尚(忍建設)らが名を連ねた。スノーボードは1月の世界選手権女子スロープスタイルで史上最年少優勝した16歳の鬼塚雅や、男子HPの平岡卓(ともにバートン)らが入った。

 連盟は昨季までスノーボードを除いた各部門でA~Cの3段階のランクを設け、それに応じて遠征費の負担割合などを決めていたが、新シーズンから区分を取りやめる。引き続き有望選手の遠征費などを負担するが、シーズンの成績や五輪でのメダル獲得の期待度が指標となる。コーチ陣も決まり、5月で退任したアルペン男子のライトナー・ヘッドコーチの後任に伊佐早信昭氏(41)が就くことになった。(共同)

 

伊佐早信昭さんは、1973年生まれ、新潟ご出身でオーストリア、チロルの旅行業も手がけてらっしゃった方のようですが、私自身はワールドカップの現場では「すれ違っている」かとは思いますが、実際にお会いしたことのない方です。

アルペン部長に岩谷高峰(なおみね)氏、伊佐早さんに加え、大瀧詞久(のりひさ)コーチの継続、昨季からのマッサーの橘井健治さん継続で、今季よりヨーロッパの外国人コーチを雇うことなく日本人のみでのチーム編成となります。

昨シーズンまで長きに渡って日本チームのコーチとして奮闘してきた長田新太郎さんも今回、退任されたので、心配なのは湯浅のヨーロッパでの練習環境ではあるのですが、オーストリアの環境に慣れた方がヘッド・コーチに就任されたようですので、心配が杞憂に終わることを望みます。

伊佐早さんの手腕に期待しましょう!

湯浅に加え男子チームは成田秀将と中村舜の2人で、ナショナルチームとしての選手は3人のみとなりました。

来季は積極的にこの2人をワールドカップに出場させて経験を積ませ、1シーズンのなかで必ずめぐってくるであろう「カリカリのアイスバーンで緩斜面が短く、ポールセットが合う」条件のレースで2本目進出を狙ってほしいと思います。

現実的な寂しい話をすれば、その実現にはお金が足りないようではありますが、成田、中村の2人にはシーズン初戦の11月レビから12月のバルディゼール、マドンナ、1月のザグレブ、アデルボーデン、ウェンゲン、キッツビュール、シュラトミングと日本に帰ることなくヨーロッパに滞在して、いつでも出場できる態勢でいることが重要だと私は考えています。

できることなら、翌シーズンのワールドカップ出場権獲得やFISポイントアップを考えてファーイーストカップに出場するようなことは一切考えて欲しくないのです。

それにはもちろん、SAJアルペン部として好ポイントを獲れずとも滑りの実力を評価してナショナルチームに継続して所属させていくことを考える必要があるでしょう。

湯浅に続く選手の輩出が急務となって久しい現状をなんとか打破すべく、成田、中村の両選手には今季、大いに飛躍して欲しいですね。彼らをサポートする皆さんも頑張ってください!

「石の上にも三年」、ピョンチャンオリンピックをひとつの道標として、2018年2月25日におとなりの国、ヨンピョン・アルペンセンターSLコースで湯浅に加えて30番以内のゼッケンでスタートを切る選手を育てましょう!

ここまで長文になってしまいましたが、寂しい話は男子だけではなく、女子チームも然り。

今季から原田彦、岡田翼の両コーチは退任し選手それぞれで活動することになりました。チームは解体。己の力のみで這い上がっていかなければならない状況となりました。

長谷川絵美、安藤麻に加え、復帰を目指す清澤恵美子や新井真季子選手には更なる支援、応援が必要な状況となりました。

今季は長谷川絵美のワールドカップGS・SLともに第二シード定着を期待し、安藤や新井には2本目進出を果たしてほしいところです。

なんか、「期待」ばかりで申し訳ない気もしますが、才能と技術を兼ね備えた若者には「日本アルペンスキー界の希望」を背負い、湯浅直樹のように「必ず勝つ」と公言するほどの強い意志をもって前に進んでほしいと思います。

今日は7月15日。猛暑の東京ですが、あと3ヶ月と10日あまりで2015ー16シーズンは開幕です!