とうとう、とうとうこの日がやってきました。
ワールドカップ初出場は2005年1月のアデルボーデンGS。
それから11年と2ヶ月、W杯98戦目にして初めて表彰台の中央に立ちました。
その名はトーマス・ファナラ。
来月には35歳になるベテラン。(勝利が決まった瞬間の写真はジオ撮影です)
GSのスペシャリストとして長らく第一シードで戦ってきましたが、3位7度、2位3度となかなかポディウムの中央に届きませんでした。
1本目、ラップの後輩、マテュー・フェビューに0.56秒差の4位につけたファナラは2本目ラップタイムを叩き出し、後輩2人の追撃をわずかにかわし、初勝利を手にしました。
そのフランスの後輩二人に肩車されて見えた景色はどんなでしょう。
トーマス・ファナラ、W杯初優勝おめでとうございます!
サブプレスセンターでの記者会見の終わりに、
「多くのほとんどのレーサーたちにおめでとうと祝福してもらった。それがなによりうれしかった。本当にありがとう」と彼は締めくくりました。
レーサーたちだけでなく、会場全体が祝福する勝利でした。私も表彰式を撮りながらちょっと泣きそうになりました。
表彰式でふと遠くを見やったファナラ。一番高いところに立った彼の目に、何が映ったでしょう。
男子GSより先に行われた女子SLは予想通り、ミカエラ・シフリンの圧勝。
今日も2位のベロニカ・ズズロバに2.03秒の大差をつけて勝利。
これで出場5戦すべて優勝。もしオーレでの怪我がなかったら全勝していたのではないかと思わずにはいられません。
来季の彼女の滑りがもう今から楽しみですね。
女子SL、男子GSの種目別優勝はすでに決まっていたフリーダ・ハンスドッターとマルセル・ヒルシャー。
ハンスドッターは昨年、一昨年と2年続けてシフリンの後じんを拝してきただけに、嬉しさもひとしおでしょう、スウェーデン国歌が流れると自然に涙があふれました。
マルセルは3年連続4度目のGS種目別チャンピオンです。
表彰の写真とブラルドーネの写真はともにジオ撮影です。
今日の引退ランは「マックス」ブラルドーネ。
このブログでおなじみのイタリア人カメラマン、ジオのリクエストで最後にゴールでお得意のポーズを見せてくれました。
W杯通算7勝、153戦、17年のキャリアを終えました。ほんとうにお疲れさまでした。
そして個性的なレーサーがまた一人、ピステを去ることに寂しさも感じます。ありがとうマックス!
彼の思い出の写真は私のfacebookページに掲載していますので、どうぞご覧ください。
Shinichiro Tanaka Photography
https://www.facebook.com/ShinichiroTanakaPhotography/
明日は2015-16シーズン最後のレース、女子GSと男子SLです!